ついに2010年シリーズの最終戦だ。この一戦ですべてが決まる。A.O.Y、R.O.Yそしてクラシック出場権。その舞台は激渋の菊川湖。ここ一ヶ月あまり、まともな釣果を聞いたことがない。もちろん、こっそり良い釣りをしている人もいるだろうが、全体的に見て例年にないくらいのタフさだった。
「半分以上はノーフィッシュに終るだろう・・・。」そんな声もいたるところから聞かれていた。しかし、楽しく釣りが出来れば良いのはプライベートの釣り。トーナメントである以上、出場者の中で一番のウエイトを持って帰る事が一番だ。つまりは自分のゲームを完結したものが、結果として優勝者になる。優勝とは狙うものではなく、自分を信じ続けた者の褒美としての結果かもしれない。
第4戦も菊川湖で開催された。その時は田中/山下ペアが3510gで制した。ちなみにこの大会でのノーフィッシュは0組。リミット達成も9組中6組と釣れまくっていた。これが本来の菊川湖だろう。例年であれば10m前後のディープを中心に組むプランが一般的だろう。しかし、プラを行った選手からは「・・・・バス居るの?」とか「深いところにバスが居ない・・・浅いところも居ないけど。」と言った様な反応しかなかった。例年とは違う顔を見せた菊川湖が今期の最終戦の場として迎えてくれたようだ。
今回の参加者は26名と今期の最大数。新顔も多数居て、大変賑やかな大会となった。いろんな団体の人も参加してくれて、垣根を越えた交流の場として役に立っていると思う。こういったこともPBTの運営意義の一つなので、嬉しい限りである。
大会前にはとってもゆる~いルール説明があるだけ。すべては自己責任で行われる。もちろん、これは抽選方式でのペア戦だからということもある。100%とはいえないが、ほとんどの不正を防ぐことが出来るからだ。もしもの時でも二人居れば、かなりのトラブルから回避出来ることだろう。
ペア戦のもう一つのメリットが出場者の層の厚さである。中学生から参加が認められているので、最高齢の人との年齢差は親子の差ほどになる。もしかすると二世代の差になるかもしれない。
いえ、写真の人(青い人)が高齢とか初老とか言っているわけではありませんよ。こう見えても(更に失礼!)現時点で年間2位につけている。逆転A.O.Yの可能性のある人なんです。
注目の抽選の模様です。ある意味、運命の抽選です。PBTのトーナメントはシェアウエイト方式。つまり、パートナーとは運命共同体なのです。同じスタイルのペアだと、スムーズにゲームを進められそうですが、間違った方向行けば二人でこけます。違ったスタイルの人だと、気配りが大変かもしれませんが、一度に二つのパターンを試せる為、早くに正解にたどり着く可能性も高いのです。要するに誰がパートナーであっても、上手く協力したペアに勝利の女神は微笑むのです。
夜間に雨が降ったのもあって、朝の冷え込みはそれほど酷くなかった。それでもダウンや防寒着の人もいる。やや季節感のずれたトレーナーのみという人も居ましたが(笑)
「今回のレポートはなんだか写真や能書きが多いな・・・・。」と思っている人。正解です(笑)だって、魚の写真が少ないんだもの。ということで、そろそろネタも尽きてきたので、ウエイインの方へ移りたいと思います。
いつものように全体を二つに分けてのウエイインショウ。前半のウエインは年間登録をしていないペアと年間成績の下位のペア。まずは6組が呼ばれる。そのうち・・・なんと5組がNF!その中にはクラシックボーダーラインの選手もちらほら・・・。その結果は後ほど。
さて、前半唯一のウエインはこちら。これだけ釣れていない大会だから、きっとしょぼい魚だろうと思ったアナタ!ちょっと見てやってくださいよ。
リミットは揃わなかったが、2本で2680g。この2本というのがホントに惜しい。タラレバはトーナメントにおいて禁句なのだが、魚を持っているノンボーターの藤本選手は数日前のプラで、このクラスをボコボコ釣っていたらしい。そして、予想通りの展開。しかし・・・あと一匹が遠かった。ちょっとだけプライムタイムが早く訪れていれば結果は違っただろう。
藤本選手の右手の魚は1180。左手の魚は1500g。BF賞は確実だと思われたのですが・・・。ちなみに原選手の右手のルアーは20gで左手の草は5gといったところ(笑)
そして、後半のウエイイン。7組中NFは3組。ということは・・・13組中8組が討ち死にということ。しかし、ウエインされた魚の大半はキロアップでコンディションの良い魚でした。それだけに難しかったのは事実ですが。
では、まずは年間7位につけていた藤高選手。今回のフライトナンバーも”7″ということで、ラッキー7です。ペアは初出場ながら地元のショップの大会で交流のある知れた中の玉野選手。
注目のウエイインは・・・・3940g!!今期のマックスポイントを獲得する見事な優勝でした。しかも、藤高選手が釣った1匹は1600gのBF賞。まさに親の総取り状態です。
あまり大きな魚を持った写真を撮られなれていないのか、大きく見えませんがかなりよいコンディションの魚ですよ。
昼を回るまでノーフィッシュだった同ペア。随分昔の思いでになる(笑)が、極寒の菊川で優勝した経験を持つ同選手。その時の思い出とばかりに、釣り方を再現すると、いきなりこの魚が反応したらしい。その後はバックシートの玉野選手が見事にフォロー。きっちり3匹でのウエインとなった。
今期はシャローの釣りに拘ったという藤高選手。今回の大会でもディープでは魚が釣れないというのもあって、最初からシャロー一本勝負だったようだ。これぞ、まさにマイゲーム。ぶれないかっこよさというやつでしょうか。
玉野選手はテキサスにダウンショットにと多彩な釣りで見事にバックアップ。これぞペア戦という結果です。一つの優勝で二人が喜べる。一粒で二度美味しいというキャッチコピーがありましたが、それですよ。
優勝の味は格別といいますが、ここまで味合わなくてもいいですよ(笑)
いきなりとんでもないウエイトを見せつけられて意気消沈している年間6位の須藤選手。ボーターはこちらも初参戦の本田選手。
優勝には届かないのがはっきりしていたのか、淡々とウエインされたが、数字を見てこれまたビックリの3490g。2位に入賞である。第4戦の優勝ウエイトに迫ろうかというウエイトだ。
スロープ前の4mレンジをヘビキャロで攻略。早々に2本キャッチし、周りを凍りつかせた。その後も”疑惑”のフッキングフィッシュ(笑)をキャッチし、リミットメイク。そして、須藤選手が一攫千金に値する1390gの入れ替えフィッシュ。ルアーはカットテール。これもプラを通じて掴んだ感触。トーナメントで結果を出すには、ヒラメキと経験、そして、努力です。ノンボーターであっても、積極的にボーターと連絡を取り、プラクティスを行った努力が実を結んだようだ。
ちなみに同ペアは6バイト3フィッシュ1引っ掛け(爆)。今大会で一番魚に近かったペアだろう。
後半のウエイインで、もう一つ注目がある。それはA.O.Y争いだ。河口選手がNFということで、暫定1位の田中選手をまくる事が出来るのは山崎選手のみとなった。その山崎選手は、こちらも初参加の田中(憲)選手をパートナーに7時間を戦い抜いた。
注目されたウエイトは・・・1020g。この時点で田中選手の二年連続A.O.Yが決定した。
山崎選手はプラにはいることが出来ず、ぶっつけ本番で挑んだ。朝はバイトに恵まれず迷走していたが、上流スロープ沖のピンスポットで連続キャッチ。しかし、サイズに悩まされたようだ。残念ながらA.O.Yは来期以降へお預けです。
最後のウエインは田中選手の組。パートナーを中学生の坂田選手に随え、ここぞとばかり能書き垂れまくりで最終戦を戦った。坂田選手・・・本当にお疲れ様(笑)
こちらも優勝の目はなく、また、A.O.Yも決まってしまったので、あまり注目されずに淡々と済んでしまった感のあるウエイインだったが、3030gと3キロ台に乗せての3位入賞。有終の美を表彰台で飾り、威厳を保った形になったようだ。
プラで完全に見失った田中選手だったが、悩みに悩んで食わせきることを選択。そのため5年以上使用していない3lbという、同選手にとっては究極のライトラインを用意。その甲斐あって、スタートすぐに930gをキャッチ。その後はしばらくバイトがない状態が続くも、昼ごろにバイトラッシュで800g、1300gと続けざまにキャッチ。その後はバラシで入れ替えならずのウエイインとなった。
上位入賞者の面々です。優勝者のクロックスの色がチグハグなのは、おしゃれ?それとも間違い?
先に述べたようにA.O.Yは田中選手の逃げ切りで二年連続の獲得。そして、今期から用意された(来期はあるのか分からないけれどw)ルーキー オブ ザ イヤー 略してR.O.Y。こちらはスーパー高校生の中崎選手が獲得。
副賞にロッドが授与されました。ちなみに中崎選手はもし年間登録をしていれば2位の成績(レポートポイントを除く)。これは賞賛に値します。来年は釣り関係の進学が決まっているようで、今後の活躍も期待します。
2位は藤本選手。3位は坂田選手。どちらも今回の戦いで順位を上げたようだ。厳しい戦いをやりぬいた後には褒美ですね。
こうしてPBT第5戦は無事終了しました。
さて、気になるクラシック参加権ですが、第4戦までの暫定成績からの推移で見ていくとしましょう。
まずはしつこいようですが、A.O.Yに輝いた田中選手。暫定1位を死守しての獲得です。そして、年間2位は今大会の覇者、藤高選手。暫定7位からの5ランクアップです。そして、年間3位は須藤選手。こちらも今回の2位が効いて6位からの4ランクアップ。続いて、年間4位は山崎選手。順位を1つ下げたもののクラシックは安全圏内でしたね。そして、年間5位は河口選手。こちらも暫定2位からの3ランクダウン。さすがに今回のNFが効きました。続いて、年間6位は河村選手。今回NFだったものの暫定8位から2ランクUP。これが一戦捨てる事が出来るPBTならではの現象です。続いて年間7位は嶺山選手。こちらもNFで暫定4位からの3ランクダウン。そして、年間8位は羽田野選手。こちらもNFで暫定5位からの3ランクダウン。そして、年間9位は吉元選手。今回不参加だったものの暫定12位から3ランクアップ。とても不思議ですがこういう計算式なのです。そして、最後の年間10位に残ったのはGUTS選手。暫定9位から1ランクダウン。
クラシック出場選手の面々です。
クラシック会場は抽選の結果、昨年と同様の小野湖になりました。日程は決定し次第HPにて発表いたします。昨年同様プレスも募集していますので、早いもの順ですから、指名がありましたら、ご遠慮なくどうぞ!ちなみに指名料は掛かりませんからね(笑)
今期もクラシックを除き、すべてのトーナメントが終了した。事故がなく終えたことをとても嬉しく思い、また、たくさんの参加者に恵まれたことを感謝いたします。来期もよろしくおねがいします!