悲願の初優勝!!ベテラン河口選手の貫録勝ち!
POTBEERY開催のトーナメントの中で、唯一ワンマントーナメントなのが、このクラシックである。レギュラー戦を戦った者なら分かることだが、パートナーに助けられて優勝したり、順位がジャンプアップすることは珍しいことではない。しかし、クラシックは仲間はいない。自らの力のみで勝ち取らなければいけない。それがクラシックである。
今年のクラシックの会場は宇部市にある小野湖。なんと、3期連続で開催されることとなった。分からない人のために説明しておくと、クラシックの会場は最終戦の時に、A.O.Y(年間優勝者)による抽選によって決められる。すなわち、とっても公平な抽選によるものである。
そうなると、時期、会場が同じというわけなのだから、必然的に優勝ウエイトは過去のトーナメントや最近のトーナメントが参考となる。CLASSIC Ⅰは4160gで山崎拓。CLASSIC Ⅱは5890gで田中大介。いずれもリミット達成だ。そして、4月1日に行われたキャストの大会。その大会では河口眞之が6kgオーバー(5匹リミット)で優勝している。
昨年のレポートを見ても、霜の降りた写真が多く見られる。今年も例に漏れず、しっかりと霜が我々を迎えてくれた。朝の気温は0℃を下回ったようだ。
ランチングを済ませ、準備を行う選手達のボートは霜で真っ白である。吐く息も白い。湖上は靄が立ち上り、それらしい雰囲気になってきた。
今回はカメラ艇を用意することが出来た。そのためとても綺麗な写真がたくさんある。是非、POTBERRYのHPにある大会写真ギャラリーを覗いて欲しい。カメラマン小方渾身の写真がそこにある。決して高価ではないカメラで良く撮ったものだと感心する。そして、心より感謝する。サンクスOGATA。
そんな小方は朝から二日酔いだ(笑)
というわけで、今回のレポートは写真盛りだくさんでお送りします。
クラシックの出場資格はレギュラー戦の上位10名。ディフェンディングチャンピオン制度もなければ、ゲスト参戦もない。シーズンを戦い抜いた実力だけが出場資格を得ることになる。権利獲得者の辞退による繰上げは15位の選手まで認められる。今回は10位、11位の選手が辞退したため、年間12位の山本喜裕選手が繰上げとなった。当然のことながらノンボーターにも出場資格が与えられる。今回は須藤健選手と坂田雄真選手が本戦へ駒を進めた。
綿密なミーティングが行われる・・・・わけがない(笑)クラシックといえどもゆる~い空気はPBTの特徴です。でも、ルールはしっかり守りますよ。最低限のルールで、最大限の楽しみを!これがモットーです。
そして、スタートの時を迎えた。スタート時刻は6:45。競技時間は7時間なので、帰着は14:45。7時間と言えばローカルトーナメントでは長丁場の部類に入るだろう。集中力を維持するのも、トーナメントで勝つための重要なスキルだ。トーナメントはスポーツである。つまりは、体力も必要なのである。
スタートは年間成績の順に1分刻みで行われる。ファーストフライトはA.O.Yということだ。
プレスを乗せて意気揚々と右手を上げるのは2010年度A.O.Y及び、昨年のクラシックチャンプの田中大介選手。ファーストチョイスは、なんと先週のリリースフィッシュ狙いの、目の前の橋脚だった(笑)
年間2位の山崎拓選手はかわいいプレスを乗せてスタート!親の威厳として、良い所を見せないといけないので、ある意味一番緊張していたのかもしれない。
年間3位の藤高広幸選手。なんとファーストチョイスは下流。「厚東の申し子」を自負する同選手が、勝負に出た下流チョイス。これが吉と出るか凶と出るか!?
年間4位の須藤健選手。ノンボーターでありながら2度目の出場は立派。今年はBOMBER艇でド派手に出場。しかし、彼のボートではない(笑)
年間5位の河口眞之選手。キャスト優勝の勢いそのままに余裕のポーズである。ファーストチョイスはもちろん弧守島(別名 河口島)。
年間6位の坂田雄真選手。彼もノンボーターからの出場。より安全に競技するために、プレスを乗せたのだが、余計だったかもしれない(笑)ファーストチョイスはこれまた弧守島。
年間7位の藤本裕二選手。その余裕は何処から来るのか。ファーストチョイスはサンシャインワンド。
年間8位の弘中尭選手。春の小野湖と相性が悪いらしく、朝からやさぐれていた(笑)が、いつもの顔に戻っているようだ。腹を決めた3タックルが光る。
年間9位のGUTS選手。昨年のようなスーパービッグを持ち込むことが出来るのだろうか。期待値十分である。ファーストチョイスは太田筋。
年間12位の山本喜裕選手。繰上げ出場で、テッペンも頂いちゃうか!?ファーストエリアは太田中流。
太田方向へ向かったのは5名。厚東が2名。そして、下流へ向かったのは3名。
これ、スタート後に橋脚を狙う田中選手ですが、とってもいい写真だと思いません?モデルがいいからかな(笑)個人的に気に入ったのでクラシックフォト大賞です。何もあげませんけどw
これも良い写真。雰囲気出てますね。奥の奥を狙うGUTS選手でしょうか。太田筋の中流域です。
これは弧守島の「バスの成る木」ですね。カメラ目線の菊次郎がイカシます。キャスト杯でグッドサイズをキャッチしたこのスポットですが、今日はどうだったのでしょうか?
おやおや?もうガッツポーズですよ。 この時すでにグッドサイズがライブウエルに納められていたとは・・・。
余裕の披露です。遠目なので、そうでもなく見えますが1700gのグッドサイズ。開始数分で、この魚は幸先の良いスタートです。しかも、これ一匹じゃないというから驚きだ。
こちらはカバー撃ちに徹する弘中選手。絞りこまれたタックルで迷いは無い。というか、迷いようがない(笑)
こちらは下流域の藤本選手。チマチマとライトリグをしている。体に似合わずチマチマした釣りが好き。チマチマ、ネットリ、粘着系だ。まだ、魚からの反応はないという。
5連下の田中選手。こちらもスピニングを握ってチマチマ(笑)ステージングの魚を狙っています。しかし、反応は得られないようだ。
もっとも下流まで降りた藤高選手。バンクから微妙なディスタンスを取っている。得意のテキサスカバー撃ちではないのだろうか。けれど、今だ反応無し。今回、下流では、ほとんどの選手がバイトを得られなかった。やはり、下流ほど春は遅いのだろうか。
キッカーバグのテキサスを中心にパターンを組み立てていくGUTS選手。しかし、思っていたような反応が得られない。最後まで苦しんだ。
壊れかけのRADIOならぬ、壊れかけの須藤です。今回のメインパターンは迷走だと大会後笑った。
こちらは大橋下の岩盤でリミット達成の田中選手。「今から入れ替えだ!」
ネコリグでカバー周りを繊細にアプローチ。
そして、グッドサイズ。リミットまであと1本。ここからが勝負である。
「シャローの申し子」の本領発揮か?どんなに浅くても関係ない!水があればバスがいる。
何気にかっこいい写真です。真剣な眼差しでリグります。とある方から「志村〇ンに似ている。」と言われ、軽くショックを受けたようですが、そんなこと・・・ありますかねw
そして、残り時間わずかとなった。選手達は最後の最後まで諦めずにキャストを続けた。しかし、勝負とは非情なもの。ノーフィッシュで終わる者もいる。僅かなバイトを逃した者、また、全く箸にも棒にも掛からなかった者。それでも、すべての選手にドラマがある。それがトーナメントというものだ。
朝は一発狙いで厚東にいった山崎選手。思った反応が得られず、三連対岸のカバー撃ちで起死回生の一発を狙うが不発。そして、このまま無念のNF帰着となった。初代クラシックチャンプの意地を見せようとキャストを繰り返す姿は、娘の目にもかっこよく写ったに違いない。
着水の一瞬を捉えた綺麗な一枚。とても良い写真だと思ってみてたら・・・バックシートの人が写ってないからか(笑)
今回、坂田選手の一番の敗因は睡眠不足ということだろう。それは、前夜祭に起因する。つまり、小方効果ということだ。今回は残念なNF帰着ということになったが、次のクラシックは十分な睡眠でかっこいい所を見せて欲しい。
菊次郎も出番があればすぐレスキュー。これはペラにラインが絡んだのかな?見かけに似合わず迅速な対応です。なんだかかっこいい。
あれ?もうゼロ申告ですか(笑)
前日におかっぱりプラをし、グッドサイズをキャッチ。その厚東エリアをメインに戦ったのだが、途中で完全に見失った。そして、迷走・・・瞑想?ノンボーター期待の星は残念ながら、輝くことは無かったようだ。
昨年は初出場ながら7位。そして、今年はNF帰着となった。
あらら?こちらも。しかも、股に挟んだロッドがなんとも卑猥。最近、こちらの路線で大人気ですからね(笑)卑YFさんということで、今後もがんばってもらいましょう。
初出場ということで、前夜祭も不参加で気合を入れてがんばったようだが、別の前夜祭(ハート)で盛り上がった(すぎた)のが敗因だろうと・・・・すべての参加者が語った(笑)
結果は当然のようにNF。精も根も尽きたというのは、文字通りかもしれない(笑)
そして、帰着の時刻となった。ご覧の通りノーフィッシュ申告は4名。ウエイイン率60%である。昨年がウエイイン率90%だったの比べ、今年は流石に厳しかったようだ。それでも、春らしい素晴らしいプロポーションのバスが持ち込まれた。
第6位は藤高広幸選手。なんとか1匹持ち込めたと肩をなでおろした。ウエイトは730g。春の小野湖では物足りないウエイトだが、今日のコンディションでは価値有る一匹だろう。メインパターンをカバー撃ちに決め、三連ワンドから始め、どんどん下流へ下った。反応も得られないので、最終的には太田の中流まで上がるというロングラン。いつものスタイルである。
昨年は9位。デコらないことは大事だが、クラシックは勝ってこそ。来年こそはやってくれるに違いない。
第5位はGUTS選手。こちらも一本。ウエイトは1050g。終了間際に会場対岸でキャッチ。最後まで諦めなかった事がもたらした一匹だ。メインエリアは太田中流。途中、厚東にも足を運ぶが不発。そして、再び太田中流で一発を狙うも何も起こらず。そして、最後のチャンスをものにした。メインパターンはカバー撃ち。
昨年は会場を沸かせたレコードフィッシュを持ち込み2位。今年も皆が驚くド級の魚を持ち込んでくれると期待していたのだが、それは叶わなかったようだ。
第4位は弘中尭選手。絞りきったカバー撃ちで1バイト1フィッシュ。綺麗な1080gをウエイイン。メインエリアは合流点から太田中流。比較的狭いエリアを集中して狙ったようだ。
大会後のレポート記入用紙も、とってもいい加減に書いてあるところから、本当に疲れたのではないだろうか(笑)この勢いでレギュラーシーズンもがんばって欲しい。初出場で4位は誇れる成績ではないだろうか。
ここからは表彰台。
第3位は山本喜裕選手。2フィッシュで2520gをウエイイン。6バイトを得ながら、キャッチに繋がらず、とても苦しんだようだ。今大会唯一、スピナーベイトをメンパターンで組んだ山本選手。キャスト杯ではキロ後半のグッドサイズもキャッチ。そのパターンを更に煮詰めて、本戦に挑んだ。太田筋の民家前を中心に巻き倒し、要所では得意のライトリグも入れた。
2回目出場となるが、この3位入賞を足がかりに更なる上を目指して欲しい。まずはドラグを締めることから始めましょう(笑)
第2位は田中大介選手。リミットを揃え3740gをウエイイン。ビッグフィッシュにたどり着きながら、あと一歩届かなかった。
ディフェンディングチャンピオンという重圧と、前夜祭の寝不足(小方のせいで睡眠30分)で、開始3時間ノーバイト。しかし、朝のエリアを狙いなおし、数少ないバイトをものにした。ショートバイト対策でシンカーなどの小物にも気を配ったのが功を奏したようだ。
そして、最後のウエイインである河口選手が重そうなバッグを提げて登場。
河口選手のウエイインに注目が集まる。黒山の人盛りとはこういう事をいうのだろう。そして、バッグの中からは次々とグッドサイズが出てくる。もう、優勝が決まったのは誰の眼にも明らかだった。
注目はウエイトだ。そして、スケールが止まる。
堂々の5270g。2位に1500近い差を付けての貫録勝ちである。
開始1投目で1700gオーバー。そして、2投目で1600オーバー。その後しばらくバイトは遠退いたものの、終わってみればミス無しの6バイト6フィッシュ。
昨年の記憶に残らない3位(笑)から、念願の優勝。たいそう気持ちよかったことでしょう。
今回誰よりもプラに入り、努力をしてきた河口選手。それが最高の形で報われたと思う。やはり、小野湖の神様は、誰よりも努力をする人を見捨てなかった。
こんなコメントをしているようでは神様にも見放されるだろう(笑)
詳しくは本人のレポートをどうぞ。 河口眞之選手のレポート
そして、もう一つの注目はビッグフィッシュ賞である。河口選手の魚はどれも粒ぞろい。どれがBF賞になってもおかしくないのだが、どの魚も僅かに足りない。
その結果、BF賞は田中大介選手が1920gで獲得。2009年に続き2回目の受賞だ。
表彰台では、優勝者による綿密なコメントが聞かれた。メモを見ながらのコメントである。流石にこれくらいの歳になると、数時間前の記憶が曖昧になる。ということでメモは大事です(笑)
終わってみれば、5000gを越えなければ勝てないというのは本当の話となった。毎年魚が成長しているように感じるのは、私だけでだろうか。
こうしてPBT TOP10 CLASSIC Ⅲは幕を閉じた。冷え込んだ気温も、ウエイインの時にはとても暖かだった。選手達も一年間の重圧から開放されて、とても緩やかな顔になっていた。
そして、6月からはレギュラーシーズンが始まる。来年のCLASSIC Ⅳに駒を進めるのはどの選手なのか。
クラシックは結果を残したものだけが出場できる大会である。魚を持ち込んだ者、持ち込めなかった者、ビッグフィッシュに好かれた者、嫌われた者、睡魔に襲われた者、まさに十人十色の戦いがあたっと思う。そのすべての選手を賞賛したい。
来年はどのレイクで開催されるのだろうか。この価値ある大会を目指して、たくさんの選手が参加してくれることを期待したいと思う。