ディープの熱戦を制したのはGUTS/河本ペア
秋の気配が漂いだした菊川湖。朝の気温もめっきり下がり、水温も徐々に下がり始めている。そうなると魚が全域に散り、いろんなレンジで魚が釣れだす・・・というのは、机上論。自然界はそんなに単純ではない。全域から魚が消えたかのような錯覚に陥るほど、激渋の菊川湖だったが、正解は今回もディープに存在したようだった。
菊川湖はスロープと会場が違う場所にあるために、朝の準備に少々時間が掛かる。ミーティングを手短に済ませ、早くスタートするために、少しの時間も無駄にしない。
会場へのロングドライブは情報交換の時間なのか。それとも駆け引きの時間なのか。
水質は全体的に良くなく、ボートの軌跡が泡となって残る。いわゆるターンオーバーというものだ。バッキ装置もないく、インレットの水量もあまりない。そして、減水傾向。悪い要素ばかり考えてしまうのも、魚が釣れていないからなのか。
ダムサイト横の公園が、今大会の会場である。ノンボーターの人は車で会場入りだ。手前の円管服(ツナギ)の人は、ボートトラブル対策で待機している専属メカニック・・・ではなく、ただのコスプレのおっさんである。あまりに地味なのでスルーされていた気もする(笑)
ロッドやタックルはコンパクトに。一度に運べる量にまとめるのが大事です。
抽選は一番のイベント。見ず知らずの人とペアになる不安もあるだろうが、これも競技のうち。安全性と公平性を保つため、そして、自分のステップアップの為だ。今回も強烈な運で最高のパートナーをGETした選手もいた。それは後ほど。
抽選札を引いたら、自分のネームをボードに張る。セルフでお願いします。どんどんと埋まっていくボード。残された札は、あたり札なのか、はずれ札なのか。。。
「んん?パートナーは・・たかあき・・・!?」ちょっと残念そうな顔に見えますが、パートナーの方が、がっかり思ったのは言うまでもない。一方、ボートを直視したまま動かない河口選手。立ったまま寝ている訳ではない。
ファーストフライトはGUTS/河本ペア。「プランが決まって無いから、周りの動きを見てから決めるバイ。」なんて言ってましたが、一気に上流方面へ。実は綿密なプランがあったのかも!?
これは四熊の橋付近。遠くに見えるのは石田/田中ペアだろうか。
横山/細本艇も、しっかりキャッチ。これでリミット達成!
石田/田中艇も貴重な魚をキャッチ!ちなみに1匹目。菊次郎艇のライブウウエルが動く貴重な瞬間でもある。
赤いボート達は釣れない時間を過ごしている。田中/和田艇はこの時1匹。一方、藤本/佐々木艇は入れ替えまで行っていた。朝は上流、午後は下流というプランは同じでも、攻め方に違いが出ると、結果も明暗が分かれる。
大雑把に分析すると、エリアはスロープ付近と四熊付近という二大エリアにボートは集中した。当然、その中でも釣れるスポットは存在する。漠然と釣っていたのでは、なかなかチャンスは巡ってこない。
もどかしく、釣れない時間が続く中、静寂を破るキッカーフィッシュ!まさに神!強烈な引き運で神を引いたのは小方その人だった。その場にいた誰もが小方/坂田ペアの優勝を疑わなかったのだが・・・。
今回貴重な魚をキャッチしたのは、11組中8組。数字を見ればそれほど悪いものではない。リミットメイクも4組。あれ??全然悪くないじゃん(笑)
それでは入賞者の面々です。
3位に入賞したのは、2910gをウエイインした藤本/佐々木ペア。藤本選手は今期3戦続けて入賞。当然、年間成績もトップに躍り出た。佐々木選手も前回の4位に続いて好成績を収めた。
2位は優勝だと思われた、小方/坂田ペア。3610gは優勝ウエイトでもおかしくない。小方はナマズしか釣っていないが、エリア選定が良かったのだろう。これもペア戦の魅力だ。
優勝はGUTS/河本ペア。GUTS選手は2戦連続の優勝。河本選手は前回3位に続く快挙だ。GUTS選手はこれで年間2位にジャンプアップ。ウエイトもしっかり稼いでいるので、大きな貯金となったはずだ。初のAOYへ大きく躍進した。
BIGFISH賞は藤本選手。嬉しい初受賞だ。しかし、菊川湖との相性は抜群で、昨年の第三戦が3位、最終戦で2位、今期の第一戦が2位、今回が3位とかなりの確立で上位入賞している。ただし、優勝は無い。近年メキメキと力を付けてきているので、それも時間の問題かもしれない。
藤本/佐々木ペアは、朝一は通称”山崎ハンプ”と呼ばれるスロープ延長上のハンプに向かう。しかし、ベイトの入りが悪いことから、早々に見切りをつけ9mブレイクのキーパーパターンに。これはプランどおりで短時間でリミットメイク 。そして、執念のネチネチが1500gのキッカーをもたらす。佐々木選手もドライブシュリンプ3″で800gを釣り、ウエイトアップに貢献。上手くペアがかみ合った結果だった。
TournamentReportの藤本選手のレポートも参考にしてください。
一方、小方/坂田ペアは、ワンサイドゲーム。ある程度予想はされていたが、坂田選手のあまりの釣れっぷりに、小方選手も脱毛したとか。あ、脱帽ですね(笑)
プラは二日間で1匹だったという小方選手は、7時間で2匹と想定。しかし、エリアに入るや否や、坂田選手がポンポンっとキャッチ。その後も坂田選手の言われるままに、エリアやボートポジションを取り、結果4フィッシュで入れ替えまで行った。今回もメインはスモラバ(エグジグ)の痙攣シェイク。ただし、ラインをPEにしたり、ジグやトレーラーにも細かなこだわりがあったようだ。まだまだ、若い坂田選手は成長し続けています。
TournamentReportの小方選手のレポートも参考にしてください。
そして、この人。藤本艇と小方艇が熾烈を極める戦いをしている間に、我関せずとマイゲームを貫ぬき、3830gのぶっちぎりで優勝をかっさらっていった。
プランは得意としているディープ攻略。リグも1/16ネコリグとか1/2フットボールといつもの奴。しかし、使うワームだったり、ラバージグとフラ付きを使い分けたりと、そこには見かけによらず繊細なタクティクスが存在している・・・はず。朝一はディープクランクのドラッギングも取り入れて、健ちゃんフラットを狙うも1バラシのみ。タイミングを見計らってスロープ下のディープフラットでいきなりラッシュ。ナマズでラッシュも終了を迎えるも、すでに十分なウエイトを持っていた。
河本選手も不慣れなディープの釣りだったが、ちゃんとバッグに貢献した。前回の小野湖でのディープ戦が生きたのだろう。「2戦続けてのディープ戦は、自分の釣りになくとても勉強になりました。でも、シャローが好き(笑)」と、試合後に語ったのが印象的だった。
スロープ沖にこだわった優勝ペアと3位ペア、四熊ディープにこだわった2位のペア。今回の菊川湖戦は釣りも内容もディープなものとなったようだ。
PBTはハイウエイト優勝がなによりも大事。GUTS選手はこの2連勝で一気に暫定2位に浮上。累計ポイント上では2位だが、切捨てを考慮すると一番AOYに近い選手なのではないだろうか。
一方、暫定一位だった三澤選手は、なんとノーフィッシュで大ブレーキ!暫定も10位まで急降下。しかし、坂田君が釣神ならば、こちらは落神。あ・・・人も成績も落ちるだけなのかw
PBT第5戦は10月28日(日)に弥栄湖で行われます。第二戦が天候のために中止になたので、今期初の弥栄戦。初秋のタフレイクと化したと噂される弥栄湖の女神が微笑むのは誰なんでしょうか。