仕事が予想以上に早く終わったので、小方氏に電話をしてみた。
小方「もしもし・・・釣れてま・・・小さい・・・今、ファイト中・・・。ツーツーツー」
どうやら、魚は釣れているようだ。それから全く繋がらなくなったので、メールですぐに向かうと告げ、家を出た。気温は30℃を超えていたので、喉も乾いただろうと思い、親切に“特濃ミルクアイス”と“ビックル”を買って持って行った。
3時前に上流スロープに着いた。しかし、彼の姿は無い。メール連絡が届かなかったのだと思い、車で上流に向かう。しかし、姿は無い。しばらく湖面を見ているといい感じでベイトが跳ねている。「これで釣れないなんて、奴もまだまだだな。」なんて思いながら、スロープへ戻ると、ちゃんと待っていた。
「どこまで行っているんですか!対岸で待機していたのに」とのこと。どうやら存在感の無さゆえ見失っていたようだ。自然に溶け込む術を会得したのかもしれない。
バックシートに乗った私は一つ注文した。
「釣れる所に釣れて行ってくれ。」時間も少なかったのもあるが、バックシートということで、3タックルしか持ってこなかった。もちろん、ルアーも無い。すべて借りるつもりだったのだから。つまり、ガイドを受けるつもりでそう質問したのだ。
しかし、彼からは意外な答えが返ってきた。
「もう打つ場所はありません。すべてやりつくしました・・・。」
仕方ないので、質問を変えた。「どこが一番魚が濃い?」
「本流最上流でしょう。ロリっているけど。」
とりあえず上流を目指すことに決定した。右岸側に段々畑があるエリアから始めることにした。理由はなんとなく。その日の状況も分からないので、まずはクランキンから始めることに。タックルは最近お気に入りのVOICE HB680L+BASS SMOOTH 15LBだ。これにディープクランクをセット。奴のタックルボックスには湿気たルアーしかなかったが、ファットフリーシャッドを付けることにした。正直、これはナイスなルアーでした。しかし、一時間後ロストすることに・・・。見つけた人はタックル○リーへ売ってください。彼が買い戻しに行くと思いますので。
なんの反応もないので、再びエンジンに火を入れ、最上流まで行ってみた。確かにバスは確認できる。しかし、彼の言うように全体にサイズが小さい。しかも、難易度はかなり高い。時間もなかたのでそこそこ攻めると再び下流方向へ下っていた。
川の水深がディープクランキンにちょうどいい感じになり、また、サーモクラインも出来ていると思われる(奴の魚探の設定では分からない。まあ、バックシートなんでぐっと我慢)場所で釣りを再び開始。ルアーはロストしたのでマッドペッパーマグナムに変更していた。このエリアではすぐに答えが返ってきた。
こいつだ。1、2、3。
長さは52cm、ウエイトは1800gというグッドコンディションだ。
しかも、丸呑み!言うこと無しだ。
能書きを垂れる私。面白くなさそうな小方。
彼曰く、「こんな魚でしょ?釣ったのは。」
本音で言えばこれはちょっと違う。恐らく7〜8m水深の4〜5mといったところ。イメージではサーモクラインがルアーの通ったあたりにあるのではないかと。ちなみにベイトは水面付近だ。ボトムはコンタクトしていない。完全な中層だ。
しっかり説明してあげるが、真剣に聞いていない。仕方ないのでもう一発お見舞いをしてやった。
今度は1850g。サイズは同じ52cmだった。
流石にぐうの音も出なくなったようで、静かになった。
キャストをする手も微妙におかしくなり、バックラッシュを連発していた。「釣りも面白くないし、何か起こらないかな・・。車が降って来るとか。」縁起でもないことを言う奴だ。
でも、朝からがんばって釣った魚がみな20cm前後という状況で50UPを2連荘見せ付けられたら誰でもへこむだろう。しかし、よく考えてみればこういったビッグフィッシュが口を使う状況ということだ。キープキャスティングをしておけば必ず結果はついてくるものだ。
その後もガンタージグwithバグアンツ(場合によってロッククロー)でキロアップを追加した。
もうこれ以上ない満足感に浸っていた。
うん、このまま終われば私はアゲアゲ、小方はサゲサゲで終わるところだった。しかし、今期の小方はちとちがう。一味も二味も違うのだ。
何が起こったのか・・・それは彼の口から語られることだろう。
つづく・・・