泣いても笑ってもこの結果でA.O.Yとクラシック出場者が決まります。特に会場が弥栄湖から菊川湖(川上ダム)に変更になったため、獲得できるウエイトポイントというものが大きく変わってくる。そのために順位が大きく変動することも容易に想像できた。
プラクティスを入念に行った選手も、前日飲みに行って妄想プラで済ました選手も、当日は真剣モードで白熱した戦いを繰り広げていた。なんと言っても今日の成績で一年の結果が決まってしまうのだから。
朝の気温は4℃。しかし、気温以上厳しかったのは冷たい風。この風が容赦なく体温を奪っていった。特に昼頃から北の風が強く吹くとの予報もあり、寒さ対策も重要なキーとなったようだ。また、水温も日に日に下がり、14℃ほど。一週間に1℃づつ下がっているようだ。もちろん、水位も減水傾向。厳しい戦いになるのは間違いなかった。
簡単なミーティングを済まし、注目の抽選へ。今回の抽選は最終戦ということで、年間上位の3名、そして、クラシック権利の境目になる8位、9位、10位、11位の選手の組み合わせを避ける処置がとられた。つまり、1位と2位のペアが出来てしまうと、2位の選手がどれだけ釣っても逆転がなくなるわけですから。でも、この措置対象外の4位や5位の選手にとってはこの抽選はドキドキな事なんです。そして、見事に暫定1位の山本選手が引いたのは暫定7位の金水選手。この時点で、金水選手のA.O.Yは消えました(笑)注目のペアとしては、暫定2位の山崎選手と暫定12位の則松選手。これは上位入賞するとA.O.Y&クラシック権利という双方の利が一致するので、とても強力です。同様に暫定11位の吉元選手と暫定13位の宇都宮選手もWクラシック権利獲得に燃えていた事でしょう。そして、暫定22位の大和選手と暫定23位(最下位)の小方選手も萌えていたに違いありません。
今期は大接戦での最終戦を向かえ、誰がA.O.Yになっても不思議ではないという状況でした。釣り方は各選手のレポートにお願いして、ウエイインの順に暫定順位を絡めながら、レポートして行きたいと思います。
まずは恒例のノーフィッシュ申告。なんと、暫定4位の藤高/白石ペアがノーフィッシュです。これでクラシックを狙う人は大きなチャンスが訪れました。結果的に藤高選手は年間成績を13位まで落とすことになりました。もう一組、ノーフィッシュのペアが・・・それは小方/大和ペア。この時点で小方の年間最下位が決定しました(笑)某選手に、ポットベリーで一番ノーフイッシュが似合うとの言葉を頂いた、小方選手の来期の活躍を期待することにしよう。ペアになった人は覚悟してくださいね。
さて、魚を持ち込んだペアのウエイインの方ですが、まずは非年間登録ペアとなった野村/細本ペア。スタート直後にファーストフィッシュをキャッチし、湖上にハスキーボイスを轟かせた野村選手だったが、少々ウエイトは伸び悩んだようだ。
それでもJBプロらしくきっちりリミットは揃えて、2350gをウエイイン。順位は6位でした。
続いて、これまたJBプロの前平選手とログマスター(自称)の山根ペア。
これまたきっちり仕事をして、3340gをウエイイン。三キロ越えで三位入賞です。前平選手はトーナメンターらしい釣りで、一方山根選手は独特の味を生かした釣りで見事なキロアップを釣り上げたようだ。このあたりのレポートは一読の価値ありですよ。多分。正直、表彰台では自分に言い聞かせているかのようにコメントするのは面白かったです。ただ、優勝者のコメントに小声で「それはないやろ~。」とか「それはどうかな~。」と呟くのは止めていただきたい(爆)ちなみに山根選手はこの活躍で年間成績を15位まで上げた。
さて、三キロという一つの壁が出来たところで、暫定19位だった河村選手と鈴川選手のウエイイン。
コンディションのいい魚を持ち込んだが、三キロにはちょっと届かない。2870gを持ち込んで4位に滑り込んだ。これで河村選手は年間成績を16位まで上げた。
続いて、暫定11位、13位の吉元/宇都宮師弟コンビ。注目のペアである。一気にWクラシックかと期待されたが、寒さが流石に堪えたのか、リミットならず!
2匹で1720gを持ち込んだ。今回の順位は9位と厳しい。この結果、吉元選手は12位、宇都宮選手は14位と一つづつ仲良く順位を下げてしまった。後半尻上がりに順位を上げていった吉元選手だったが、最後に尽きた形となった。一方、第二戦まで暫定1位だった宇都宮選手だったが、後半はスケジュールが合わずに参加が出来なかったことが大きく響いたようだ。
続いて、暫定9位の河口/須藤ペア。前日プラもノーフィッシュで終え、やや不安の残る形で本戦を迎えた河口選手だったが、本番での強いところを見せ付けた形となったようだ。
序盤に釣ったビッグキャットフィッシュ(ジャパニーズです)の呪いの為に、終盤近くまでリミットが揃わなかったようだが、今回もパートナーに助けられてリミット達成。2640gをウエイインした。普段の練習の成果が釣果にも現れたが、この写真の写り方も綺麗になったように思う。腕の角度などちょっと憎いですな~。今回の成績の5位が効いて、河口選手は9位から6位へジャンプアップ。クラシック参戦を確定させた。
続いては暫定8位の山藤選手と14位の嶺山選手のウエイイン。帰着後も大人の対応で、全然はしゃがないから、周りもこんなウエイトを持ってきているとは思いもしなかったようだ。一匹目からかなりのビッグフィッシュが登場。その期待されたウエイトは・・・。
デジタルスケールの目盛はキリの良い3900gで止まった。現在の菊川ではマックスに近い数字ではないだろうか。そして、嶺山選手の釣ったバスは1530gでBF賞も獲得。前回の第四戦も嶺山選手のペアから出ていたわけだが、この選手はどうやら、デカイ魚を呼ぶ傾向がありますね。来期からボーターでの参加ということなので要注意ルーキーなのは間違いないです。そして、このレポートを書いていて、もの凄い発見をしました。それは後ほど。さて、相変わらず大人の対応をする山藤選手だが、今回も周りを持ち上げ、勝者を持ち上げと、営業トークが炸裂していました。その淡々と持ち上げる口調に心がこもっていない様がこれまたなんとも良い味を出しています。まあ、それはどうでも良いが成績の方は優勝かと思われたこのウエイトも実は2位。それでも、大きくジャンプアップに貢献して山藤選手は8位から4位へ。嶺山選手は14位から11位へと順位を上げた。これで山藤選手は確定。嶺山選手は補欠ということか。
そして、ウエイインは佳境に入る。先ほどの3900gの興奮も止まぬままにビッグバックを持ち込んだのは暫定6位の田中選手と藤原選手。帰着後は自信満々だったのだが、先ほどのウエイトで少々怖気ついたようだったが・・。
ピコピコと動くデジタルスケールが止まり、ウエイトを確定させたその数字は3920g!!!なんと20g差で逆転だ。実にスピナーベイト一個分。上手く仕込んだ甲斐があったようだ(ウソ)。誰よりもプラに入ることで、自分の釣りの精度を高めていった田中選手は開始1時間でリミット達成。最終的に8匹をキャッチし、入れ替えも3回行ったようだ。バックシートの藤原選手との相性はとてもよくらしく、スタートから良い雰囲気がしていたそうだ。今回の優勝が大きく効いて、田中選手は6位から6ランクUPで念願のA.O.Yを手に入れた。釣り方もかなり絞りこんでいたようで、もっと喋りたかったらしいのだが、なんだか周りのしらけているムードが伝わってきたので、早々切り上げたようだ。喋り足りなかった分はレポートで書いてくれることだろう。ともあれおめでとう!!
続いて、年間10位のGUTS選手と5位の羽田野選手だ。この辺りからA.O.Yとクラシックという目標が一致するペアが続く。それだけに1gでも欲しいのだったが。
キャストのトーナメントでも常に上位に顔を連ねるGUTS選手だが、今回はアウェーのフィールドと寒さに少々苦戦した模様。リミット達成できずウエイトは1980g。2キロに届かないのはちょっと苦しいか?今回の8位がどう影響するか心配されたが、GUTS選手は8位にUPし、羽田野選手は5位を死守。結果、二人ともクラシック参戦権獲得です。1匹の価値がぐんとあがる思いでしょう。2009年度のクラシックの会場は小野湖ということで、GUTS選手の活躍が大きく期待されます。
続いて、開始そうそうにビッグフィッシュを釣り上げたと噂の則松/山崎ペア。則松選手は暫定12位とクラシックラインの下。そして、山崎選手は2位とA.O.Yを狙える位置だ。
ビッグフィッシュ賞更新かと思われた、この魚は1500g。わずか30g足りない。足りないついでに、魚も1匹足りない。2匹ながら2160gをウエイイン。1匹が大きく効いた格好になった。実はもう1匹キャッチしていたようだが、残念ながら完全デッドになってしまったようだ。お亡くなりになった彼女(バス)の分までがんばりなさいということで、A.O.Yは来期以降へお預けとなった。それでもクラシック権利は二人ともがっちり掴んで、則松選手はボーダーラインの10位。山崎選手は1ランクさげて3位でフィニッシュした。
残るは暫定1位の山本選手と7位の金水選手のペアだ。プラの時から魚探の調子が悪く、苦戦しているとの話だったが、本戦もその影響が大きく出たようだ。
写真では1匹づつ持っているが、ウエインされたのは左の山本選手の持っている640gのみ。プライドのカケラもない金水選手は他人の魚を借りての撮影。今時、小学生でもしませんよ・・・。今回の10位で山本選手は年間2位に後退。プライドの無い金水選手は圏外だと思われたが、なんと9位で踏みとどまり、クラシック参戦権獲得。この640gはとても大きな意味を持つというのは説明する必要もないだろう。クラシックでは大きく活躍してくれることだろう。
これで2009年度はクラシックを残して全日程を終了した。記念すべきPBtour発足一年目のA.O.Yの栄冠は田中大介選手の頭上に輝いた。そして、2位に山本喜裕選手。3位は山崎拓選手。以下、4位に山藤選手、5位に羽田野選手、6位に河口選手、7位に横山選手、8位にGUTS選手、9位に金水選手、10位に則松選手までがくらしっく参戦権獲得だ。辞退者がでれば繰り上げ当選なので、11位の嶺山選手が次点ということだ。最終成績だけを見ればA.O.Yと2位は300P以上の差があるが、6位からの逆転というドラマは作り物ではない感動を生んでくれる。とても寒い湖上だったが、白熱した戦いだったと思う。残すところ来年の4/11に小野湖で行われるクラシックのみだ。小野湖は冬季自粛期間が3月いっぱいまであるので、プラを行うことも出来ない。それだけに冬季トレーニングが大切なのではないかと思うのですが、今以上に一回り大きくなった選手たちの活躍を春の小野湖で期待したと思う。
さて、トーナメントにタラレバは禁物だ。だが、そうとも言えない状況もある。今回BF賞を獲得しながらも、次点の11位だった嶺山選手。成績をチェックしてみると、第一戦を9位でフィニッシュしているが、この時は年間登録をしていなかったので、年間成績には加算されていないのだ。もし・・・もし、それを加算すると、822P+1240P+1230P+1290Pで4582P。そして、もし・・・・すべてレポートを書いておれば400P加算だから・・・・なんと4982Pで逆転のA.O.Yだったのだ。しかも、その成績は9位、優勝、優勝、2位。来期の一番本命かもしれません!!!と、ここでプレッシャーをかけておきましょう(笑)
大会後も「ここの大会は釣れなくても学ぶものがあって楽しいです」」との感想をもらった。これこそ運営する側としては冥利に尽きるというものだ。それぞれがテーマをもって大会に挑んでいる。それは結果だけではなく、自然に向きあう姿勢だったり、相手を思いやる気持ちだったりする。バスフィッシングの基本はバスと向かい合うことだが、ペアトーナメントのスタートはパートナーを思いやり、コミニュケーションを重ねる事だと思う。自分を見失うことなく、相手と歩調を合わせるのはとても大変な事だ。
それでも、今回3位に入賞した前平/山根ペアのように釣りのスタイルは大きく違っていても、そのチャンスを逃さなければそれぞれの持ち味を生かした結果が生まれる。前平選手も大きな刺激を受けたようだし、山根選手も然りだろう。これもペアトーメントが無ければ気付くことの無いものかもしれない。
今回優勝した田中/藤原ペアだったが、ウエイト的に貢献できなかったことを言った藤原選手に対して、2位に入賞した山藤選手が「あなた居るだけで貢献しているということなんですよ。」といったことは本当の話で、これはとても素晴らしいことだ。でも、これは田中選手が言わないといけないセリフなのだが。最後にいいところを持っていかれた感が残る(笑)魚をキャッチした人も、そうでない人も、参加しているということだけでも、いろんな人に影響を与え、勇気付けられているということを忘れてはいけないと思う。ほら、田中選手の毒気の無い自然な笑顔。こんな天使のような笑顔が見られるのはPotBerryTourしかないですよ。
いろんな個性があって、楽しいトーナメントです。来期は2010年5月16日から第一戦が始まります。まだ見ぬ貴方の参加をお待ちしています。