この第一戦の話をする前に、この小野湖で行われたトーナメントの結果を見ていきたい。4月1日に冬季の自主自粛が解かれた小野湖。4/4のキャスト(宇部市のショップ)の大会のウイナーは河口眞之選手。ちなみにウエイトは6520g/5匹(5リミット)。そして、4/11のPBT CLASSIC 2090のウイナーは山崎拓選手。ウエイトは4160g/3匹(3リミット)。いずれもメインエリアは太田川筋だった。
参加選手のほとんどがこのウエイトや戦略を参考にしていたのは間違いないだろう。しかし、この時期の小野湖はそう簡単ではないのも周知の事実。しかも、デリケートなスポーンの時期。気まぐれな彼女(ビッグフィメール)を射止めるのは一体誰なのか?
朝はクラシックの時に比べれば温かかった。そりゃ、クラシックは大雨でしたからね。今回の気温は3℃。いわゆる放射冷却ってやつですかね。この時期の釣りをやりこんでいる選手たちはちゃんと防寒対策をしていましたが、初参加の人たちには少々堪える寒さだったかもしれません。
気温の低さとは裏腹に水の中はクラシックの時より、一層春が進んでいるようだった。4/4のキャストの時が第一陣のスポーンだとすれば、今回は第二陣以降の個体となる。大きな個体からさん欄が始まるとすれば、優勝ウエイトは少々下がると思われたが、そこは地元の手馴れも参加するPBT。ウイニングウエイトをどう読んでくるかということも、重要な分かれ目だったようだ。
まだ朝靄の残るなか13艇は思い思いのエリアへかッ飛んで行った。エレキでね(笑)エンジンと違って、エレキの並走って時間の流れがゆっくりなので、いろんな事を考えるんです。微妙に差がついていく事に焦ってみたり、エレキの熱ダレが心配になったりして。私なんかは、目当ての場所に行くまでに、何度も寄り道しちゃいます。優柔不断な人はエレキ戦向きじゃないかもしれませんね。
今回は新規参加者の多い大会でもあった。新規参加者・・・それはルーキーです。そんな彼らの闘志を称えて、今年からR.O.Y(ルーキーオブザイヤー)というタイトルも作られました。ということで、今大会の優勝、A.O.Y(年間優勝)そして、R.O.Yという『一粒で三度美味しい』大会となりました。まだPBT未経験の人は是非とも参加をしてみてください。
スタート位置のアクトビレッジおのは、ちょうど中間点に位置する施設である。そのため、選手の動向は一目瞭然だ。今回太田に上ったのは河口/坂田ペア1組。柳の下のドジョウならぬ、柳の下のバス(本当に柳がある。)を狙いにいったようだ。人間一度でも良い目を見ると、なかなか醒める事ができないようだ。そして、厚東方面に向ったのは、山下/太田ペアと小方/貞弘ペア。小方は前日プラでそれなりに手ごたえがあったらしく、「一匹は釣るよ。」と豪語?していた。彼の特許でもあるロリータであれば、いつもの小方なんだが、今年は一味違うらしい。会場付近からゆっくりスタートしたのは西堂/中崎ペアと田中艇(ペアの無いロンリーな人でした)。残る9組は一目散に下流に散っていった。
その後の展開は各選手のレポートに任せることにします。
ここからはウエイインです。第1戦ということで、フライト順の後ろからウエイインです。おっと、その前にNF(ノーフィッシュ)申告です。今回のNF申告は1組。流石にクラシックの時よりは少ない。そのNFペアは・・・なんと、クラシックウイナーの山崎選手。しかも、パートナーは小野湖の手慣れとも言える鈴川選手。このペアがノーフィッシュで終るとは誰が予想したのだろうか。本当に春の小野湖は気まぐれです。
さて、最初のウエイインは12番フライトの羽田野/山藤ペア。ここも下流を中心にエリア選択したようだ。注目の魚ですが、いきなりのビッグサックが持ち込まれた。
二人に負けず劣らずのプリプリバスです。1730gのビッグフィッシュを含むウエイトは4030g!いきなり凄いウエイトです。誰もがこのまま逃げ切ると思ったのですが・・・。
続いてのウエイインは小方/貞弘ペア。今回もバッカンを持ってのウエイイン。ちなみに小方選手は小さな魚の時は小さなバッカンでウエイインする。今回は中くらいのバッカンだった。ということは、リミットは揃っていないということか。
ロリータハンターの名前を返上する一匹です。ウエイトは1740g。小方らしくない魚だが、一匹で終ったのはとても惜しい。しかし、今回だれもが捨てた厚東川での価値ある1匹ではないだろうか。
続いては某有名団体でプロとして活躍する前平選手。どうやら、今回はやらかしてしまったようで、顔を隠しています(笑)まだまだ修行が足りませんね!
3連ワンドでバックシートの弘中選手に煽られまくってましたね。惜しくもリミットが揃わずに7位どまり。トーナメントはあと一本が難しいんですよね。
続いては今回のロンリーである田中選手。ちなみに昨年度の第4戦に続く二度目のロンリーです。運営上、一番最後に札を引くことが多いのですが、いい感じでロンリー札って残るんですよね・・・。
釣りの方は残り1時間でやっとクオリティーフィッシュにめぐり合い、なんとか5位。この1匹が無ければ相当順位を落としていただけに、彼女に巡り合うまでの6時間の長いこと!やっぱり、一人は寂しいです。
続いて、久しぶりのPBTトーナメント参加の谷/横山ペア。谷プロ(自称)は今回はプラを五日間/一週間(ってことは週休二日の釣り?)行い、万全の体制で挑んだようだ。前日にもビッグフィッシュを釣っており、勢いに乗っていた。
しかし、トーナメントの難しいのはこういうこと。当日はことごとくそんなバスに裏切られたようだが、バックシートの横山選手が上手くバックアップし、最後には帳尻を合わせて3230gで3位に入賞。谷プロはおっさんだが、メインルアーにO.S.Pのドライブスティック(新作)を使用するなど、まだまだ意欲はタップリです。ちなみに、オッサン参加者のほとんどが「ドライブ・・・ステッ・・何?そんなのあるの?」って言ってました。新しい情報に疎いのはどの世界も一緒です。横山選手はZBCのCテール。定番ですね。
続いては、新参者です。前日飛び込み参加の西堂選手と若さ溢れる高校生、中崎選手のペア。
小野湖を見るのも初めてという西堂選手。ホームレイクの北山湖のワカサギパターンを意識しながら、エリアを決めて行ったそうです。中崎選手の釣った魚をヒントに更に状況を分析。最終的に4080gとまとめ、第一戦のウイナーとなりました。初参加で優勝&BF賞も掻っ攫うというパターンは初めてのことじゃないでしょうか?う~む、若さには勝てないのでしょうか・・・世代交代の波がPBTにも来ているようです。
さて、続いてはオッサン側の人(笑)GUTS/白石ペアです。GUTS選手は昨年の第1戦でも3位に入賞しており、期待されたのですが、なんと460g1匹。しかし、A.O.Yやクラシックのことを考えると、460gと0gでは大きな差がありますからね!
このペアも下流がメインエリア。三連ワンドより更に下流をメインエリアとしていた選手が多かったように思うのですが、結果が大きく分かれたように思います。このあたりは選手レポートを見たいと思います。優勝以外のドラマもクローズアップするのがPBTです。『完全ドキュメンタリー』ですからね。あ、このレポートはかなり脚色されてますけど(笑)
続いては藤高/河村ペア。見事なオッサン二人です。PBTの中でNFが似合う男ランキングの上位を争っている藤高選手だが、今回はちゃんとリミットメイク。いつもはマイウエイを突き進み撃沈コースまっしぐらだったのだが、今回は一味違った。
サイズにこそ恵まれなかったが、2490gで6位。第二戦以降に期待です。
続いては影の2009A.O.Yである嶺山選手とこちらも高校生ルーキーの長岡選手。こちらは若さ溢れるペアです。
3連ワンドあたりをメインエリアとし、何度も入りなおしながら、最後には上手くウエイトをまとめたようだ。クラシックの3位入賞といい、今期のA.O.Yの台風の目になるのは間違いなさそうな嶺山選手。PBTのトーナメントにノンボーターとして、1年参加し、今年は車もボートも揃えてボーターデビュー。いい感じで、我が術に嵌っていっている(笑)若い人たちの良い見本になってくださいね。
続いては、完全なおっさんです。しかし、パートナーが若い!若いというよりは・・・幼い!ちなみに長内は広島の野手でしたね。え?知らない??このネタを自体がオッサンですか・・・すいません。
河口選手の実の息子と同い年という坂田選手。河口選手が懲りずに『どじょう』をチマチマと狙うのを尻目にバクラトスイマーをバビューンと投げて、キッカーを掛けるあたりは大物の予感です。残念ながらキャッチには至らなかったようですが、それはパートナーに恵まれなかったので仕方ありません。だって、ランディングネットに穴があいている人なんて、初めて見ましたよ!そりゃ、坂田くんもビックリですよ!!
そして、最後のウエイインはTUNDRA山下と爆笑太田(爆笑○題の太田と同姓同名)。大多数が捨てた厚東川をメインにしていただけに、ウエイトのほうが期待されたのだが、リミット揃わず2匹のウエインとなった。
釣りよりも車に話題を振られることが多いと思われるTUNDRA山下は、TUNDRE(ツンデレ)ではなく、なかなかの好青年です。ちょっと天然な気もしますが(笑)PBT向けの人材なので、引き続き参加の程よろしく!
最終的に西堂/中崎ペアの4080gという牙城を崩すものは現れずに、初物尽くしで優勝となった。名誉ある第1戦の入賞者です。とくとご覧あれ!!!入賞者には地元のショップ『キャスト』の商品券が贈られました。PBTのトーナメントには会場となる各レイクの周辺の商品券が送られます。
笑顔の絶えない大会運営を心がけているのですが、今回は春の陽気も手伝ってとても良い大会になったのではないかと、自画自賛している。復活組も新参組も楽しめたのではないでしょうか。
釣りに関するものは選手レポートに掲載されます。年間登録をしていない選手でもレポートはOkなんで是非ともお願いしますね。ホントはインタビューの時の話を書けばいいのでしょうけど、MCがテキトーに喋っているので、あんまり覚えてないんですよね。え、MCですか?私ですが、何か?
こちらはA.O.Yランキングで暫定TOPになった二人です。今日の仲間は明日の敵です。でも、またペアになったりして(笑)昨年のクラシックにも駒を進めた二人なんで今期も良いスタートダッシュが出来たのではないだろうか。
プライベート釣行で訪れた小野湖。アクトビレッジの受付でPBTのことを聞き、すぐにコンタクトを取ってきた行動力こそが今回の勝利に結びついたのだと思う。いつもは北山や遠賀川でトーナメントに明け暮れている西堂選手だが、PBTのような抽選ペア戦は新鮮だったのではないでしょうか。
中崎選手もこれからが楽しみな世代。「ボートが欲しなりました!」って言ってましたが、今はお父さんとゴムボート釣行がメインらしい。釣りの事も、ボートのことも、いろんな物が欲しくなって大変ですね!でも、未来に向けて意欲があるということが一番良いことです。
勝利のメダルの味はいかがですか?この味は忘れてはいけませんよ。しかし・・・なんと爽やかな笑顔でしょう。汚れていない笑顔というものはこういうことを言うのでしょうね。邪心なき勝利ということでしょうか。心の汚れたオッサンたちには勝利の女神は微笑みません。今回、ダメだったおっさん達は得を積んで精進することにしましょう。ね、河口さん!
第2戦は6/13に周南市の菊川湖(川上ダム)で行われる予定です。
皆さんの参加をスタッフ、選手一同お待ちしております。